2011年5月8日日曜日

遺伝子組み換え植物

現在ブラジルでトランスジェニコの植物栽培を許可するかしないかで、政治的にも農業者団体でも意見が分かれています。賛成者は大中の農業者と、それを作り出した企業MONSANTO、反対派はPTの左派、あるいは伝統的なPTの支持団体、それに自然保護団体です。しかし、何よりもまず、私達が考えることがあるような気がします。植物栽培はすべての人間の必要な食べ物や衣類、エネルギーの原料になくてはならないものです。
現在のブラジルは農業生産物が余り、輸出するまでの余裕があり外貨獲得に役立っています。その生産の増大は農業技術の進歩によります。いかなる政治体制やイデオロギーといえども、まずは国民が餓死をしないことが大切で、このことは本当に飢えたことのある人にしか判らない。食べることは人間の本能です。
ルーラ大統領が掲げるフォーメ・ゼロ政策も、彼が子供のときに飢えた体験から来るものでしょう。飢えをなくすれば政治は安定するのが殆どです。
トランスジェニコは技術の進歩で、大豆ですとコストの2番目に大きい出費である除草剤の問題です。従来の栽培ですと4種類の除草剤を使いますけど、トランスジェニコですと1種類の除草剤で済み、20パーセントから30パーセントの支出が削減でき、競争力に於いて大きな力になります。また別の面では、マモンのモザイク病やトーモロコシの害虫に強い品種が出来ると、生産者にとってすごい力になります。
現在、トランスジェニコの植物輸入に反対を唱えているのはヨーロッパだけで、日本や支那が制限していますけど、これは食糧確保に余裕があるからで、世界が食料不足になると事情は異なってくるでしょう。
世の中は新しい技術や栽培法を取り入れて生産を拡大するのもあれば、その反対に自然に戻り、現在の発展は神への冒瀆だと、18世紀の頃の生活で暮らしている宗教団体がアメリカにあります。アメリカはモザイク文化で、自由にすべて受け入れます。ニューヨークから2時間くらいのところにアーミッシュ派の部落があり、私はテレビで観ましたけど、まるでミレーの晩鐘を思い出す光景です。彼らは新しい文化をいっさい取り入れず、自動車やテレビもなく、新聞も取りません。アフガン戦争やイラク戦争も知らないようです。国からの保険制度にも入らず、病院にも行かず、医者にも掛からず、神の保護を頼りに人生を全うするようです。国民としての義務の納税や兵役も免除されているようで、食べ物も自分の農場から採れたのだけを食卓に出し簡素な生活で、みな痩せ型で美しい。一歩この部落から外へ出るとデブが殆どで、奇妙なコントラストな社会を作り出しております。自由なアメリカを思い浮かべることができます。
ちなみに、アメリカはトランスジェニコに賛成で、世界にトランスジェニコの農産物の輸出を行っており、科学的にも問題はないようです。

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