2011年5月8日日曜日

新大統領

新大統領が就任してから三ヶ月が経っている。国民の期待と信頼は大きい。
選挙のときに掲げた公約、フォーメ・ゼロ運動*と汚職追放はまだ実行されていない。しかし彼の外交は思ったよりもよい。アメリカやドイツ、フランスなどからも好評を得ています。またFMIなどからも約束が取り付けられて、前大統領とあまり変わらない経済路線を歩んでいるように受け取れます。
まず高い利子でインフレを抑えようとしている。これはまず今日までPTが攻撃していたからです。政府が決定する料金すべてが上り、それが物価をつり上げております。このことがインフレになり利子を上げています。工業団体は購買力がなくなったので、生産しても売れず、なおかつ利子が高いので月賦販売もままならず、また失業者を少なくするのにも歯止めをかけております。ただし農業部門だけは生産も拡大し、輸出も増大し外貨獲得に貢献しております。
私の予想ではルーラ大統領は小学校しか出ていないのできっとエラーが多いのではないかと思っていましたけど、彼の演説は難しい言葉は使わず、国民だれもが解りやすいように演説しますので私達の胸を打つものがあります。
国民に餓死をなくしようとの運動も、彼が北伯に生まれ父親に捨てられ、母と共に貧しい少年時代を送ったから、国民は実感として感ずるのです。もし別の大統領や候補者があのようなことを言ったら選挙の宣伝だとしか映らないでしょう。彼は今までの大統領と違い、国民最低のところから這い上がり、大統領という最高の地位に就いた人で、ブラジルにも世界にも類のない人物です。そのことが国民に勇気と、頑張れば誰にでもチャンスは与えられてるんだとの気持ちを起こさせます。誠にブラジルに血も流さずに革命が起こったといえるでしょう。そして知識人の中にも今度は本物かもしれないとの感じを与えたように思われます。まだ課題は残されています。税制改革、年金改革、政治改革、労働改革、農地改革とたくさんの課題が手もつけず残っています。与党と野党をどうまとめて説得するか、新大統領の手腕を国民は期待しております。
彼が金持ちと貧乏との差を縮めることが出来たらノーベル賞に値するでしょう。❀

*編者註      フォーメ・ゼロ運動:ルーラ現大統領が提唱する飢餓をなくす政策。

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