2014年5月8日木曜日

随筆 ビアジャンテ

ビアジャンテ 戦後間もない頃まで多くの日系人がビアジャンテとしてブラジルを駆け回って居た。その中には名前の知れたべテランもいてよく日系新聞に投稿していたのが思い出させる。サンパウロ市にはビアジャンテクラブまであって情報交換していたようです。 今日では店で日系人のビアジャンテを見かけたことが無い.流通組織も変化してインターネットでも取り寄せる事が可能になっている。ビアジャンテの中には田舎を回って売りつけたり、またミシンの修理とか、刃物を研いだり、田舎の日本人の殆どが用をたしていた、日系人特有の布団もビアジャンテを通じてしか買えなかった。とくに布団は娘の嫁入り道具の一部で結婚の噂が入ると確実にビアジャンテが現れ商用が成り立つのでした。 ビアジャンテは日系コロニヤの詳しい状態を知り尽くしていて。各家庭の懐具合や家庭の品格まで知っていた。特に年頃の青年を抱えた家庭では嫁の世話まで引き受けていた。ビアジャンテは家庭の風格とかの似合う娘を世話するので、円満にいくので後まで交際を続けたのもあった。また話の話題も豊かでかなりの知識を身につけていたようです、 相手次第で釣りの話や。農業の知識も持ちあはせていた。日が暮れると話に夢中で相手の家で夕食から寝泊りまで、翌日の朝のコーヒーを頂いて出発したようです。 家の主人に気に入ってもらうにはそれだけの話題を持ち合わせるのがビアジャンテの条件でした。 ブラジルのアマゾンから南のリオグランでまで話題は幾らでもある、中に他人からの受け売りの話もあって。あたかも自分が経験したように語っていたのです.たとえば日本で軍隊を経験した話に地方の軍隊訓令所などで銃の構えから持ち上げまでの様式を自分でやって見せて教官を驚かせた話はあちこちで聞いておるのも受け売りの感じがする。亦。話好きな人は次の様な嘘の話を真実のように話してくれるのです サンパウロの奥地の原始林視察の時、ジャングルのなかで異様な音が聞こえてきた。その音がだんだん大きくなり率先者が山豚の群れだといった。とかく大きい木の後ろに隠れろと命令した。その中の一人は銃を持って居た、ものすごい勢いで通り過ぎた後を狙って弾を放したら一頭が倒れていた。皆で寄ってみると弾は頭を貫いた跡があった,しかし弾が入った後が見つからない、不思議にもメス豚で陰部から入ったとしか考えられないと真に語ったけど聞く人は、半信半疑でいた。 亦アマゾンでは十メートルの川を渡るとき大きな木がまたがっていたので木に下がり川を横切ったら木が動き始めた、大変だスクリウだと気づいた者もあると話す。あの頃の田舎には情報が乏しくビアジャンテを囲んで隣近所が集まりヴィアジャンテの話をピンガを飲みつつ、夜更けまで語りあったのです  終り

2014年5月1日木曜日

農業組合始末記

僕が関わっていた組合がやっと解散することが
できた。同じ大きな組合の買収のお蔭である
僕は街の組合の始め頃からの組合員で最古の
役員でもあり亦最初の合併の組合員でもある
それほど僕にとって農業と組合の関わりは
無くてなら無い存在だと思っている。
僕が役員をしていた組合の始めはブラジル全体に
政府の奨励あって筍のように生まれた。始めは
役員も無報酬で勤め大地主が務めてなりたった
組合が軌道に乗ったころから報酬も払うように
なった。其の頃から選挙に関心が現れた
インフレーの激しい時代に政府のお金を借りて
出来るだけ設備投資を行い多くの負債を抱えていた。
組合のイスタツトには利益の半分は積立、半分は
モヴィメントに応じて分配すると規定されている
けど役員は全額積み立てた、農産物の売り上げの
一パ―センとも積みたて何時か組合員に返す
べき負債なれど投資設備をインフレーに応じて
増やしてバランソを保っていた
その後政府が貸付にインフレ率を利子に付け加え
負債は増える一方で、役員は組合員の農産物を売り
出して現場を凌いでいた。組合員は離れていった
組合と民間企業と比較した場合、従業員が多く
コストが高く利益が少なく、その分組合員の出資金
でおぎなっているのが事実でした。最後に銀行の
長期貸付を固定利子で払うように役員の裏書で
合併するまで運営していたのがやっと合併により
裏書の責任が無くなりました、
インテグラダ組合はコチヤ組合解散後
ロンドリナを中心に生まれた新しい組合で
授業員も少なく銀行の負債もなく堅実に
エスタツトを守って利益を組合員に還元して
発展して現在では北パラナの東カンバラから
パラガイの境まで支店を広げて我が組合も
合併して我が組合の終幕に至っている
組合の始末に関わって農業者に迷惑かけずに
至った事、民間企業が多くの農業者に損害を
与えている事を思うと農業者の擁護に無くては
ならない存在で僕自身もいろいろの事を学んだと
思っている
      完  ニ千十四年三月十三日