2011年5月8日日曜日

違 和 感

古い移民と戦後移住者の間にはひとつの違和感があった。年齢の違いと過去の歴史、古い移民には開拓の苦労を身にしみて感じ、また戦後移住者には第二次大戦の苦しみや悲しみを身をもって知っているから違和感が生じていた。それ以外にも古い移民には昔の日本の教育やものの考え方が残っていて、新しい移住者にはアメリカの民主主義の洗礼を受けて新しいものの考え方を持っていて、それが違和感を生じていたのです。
新聞などにも戦後移住者のことがよく載り、殆どが批判的でした。古い移民にしてみれば苦労もせずに、彼らが築いた土台に乗りあがって大きい顔をしているとのことでした。
移住した日本人とブラジル生まれの二世との間にも違和感はあった。日本人は古い教育の大和魂と日本のしきたりを重んじ、言葉も分からず移住し、開拓に励み、やっと築いた信用と経済的ゆとりを二世の人々も知って欲しかった。
今日ブラジルはあらゆる分野で改革を求められている。その中にあって日本人二世は戸惑いを感ずるでしょう。改革について行けない者も出てくるでしょう。しかし、古い移民の苦労に比べればなんでもないことです。いかなる困難にあっても努力を怠らず、社会的に認められる社会人になって欲しいのです。
50年も前は日本人と外国人の結婚は許しがたいものでした。今日ではどの家庭でも混血児は話題にもならず、自然に受け入れられているのです。日本語も家庭で話すことが少なくなり、消えるのではないかと心配の声も出ております。とにかく歴史は変わりつつあります。50年前、日本人の成り上がり一代で築いた大地主がだいぶおりましたが、今日では二世の時代になり殆どが消えて、名前が残っていません。❀

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