2011年5月8日日曜日

ルーラ大統領の政治の現実

ルーラ大統領が政権を握ってから2年半が経っている。初めの1年は国民の期待は大きかった。労働者も識者も、貧しい中から出た大統領だからきっと国民の期待に応えてくれると思っていた。あらゆる方面で改革を打ち出すものと期待した・・・。
しかし現実は前大統領の政策を続行したに過ぎない。ある面では実業家はほっと胸をなでおろした。銀行界でもちょっと的外れのような、世界で一番高い利息を維持して驚かせ、別の業界では悲鳴をあげているのが現状です。
彼の言い分は、前大統領が多くの赤字遺産を遺したゆえだとのこと。もともとブラジルは70年代の軍事独裁政治のころから外資を導入して、工業や道路建設を行ってきた。その付けが現代になり大きな国の負担になり、利子だけでも国の予算に匹敵する額になっている。それを乗り越えるだけの発展は出来ず、余計に新憲法により国の負担がかさみ、インフレを助長したのです。まず第一に国の赤字を減らす目的であらゆる投資を控え、社会福祉や教育や国民の健康などが置き去りにされ、国民を裏切ったような事態に陥っているのが現状です。
彼は世界各国を訪問して自分の理念を訴えました。ブラジルとの貿易取引を語り合いました。今までの大統領で一番外国を訪問しており、ある面では国民の批判を浴びております。
今年になり大統領を取り巻く側近が、PTを通して汚職を行い国民を嘆かせておる現状です。野党の時代はあれほど政治の潔白を訴えたPTが同じことを繰り返し、国民に政治家への不信感を招いているのが現状です。
大統領の所属するPTだけでは議会の過半数を得ることが出来ず、小党派の支持を得るために、政治資金が国の公社から流れて議員に渡され問題となり、国民を裏切った形になっている現状です。その行方は不安定で、2006年に控えた大統領選挙にも影響が出るでしょう。
経済は案外安定し、政治は混沌とした状態です。
2005年7月2日 

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