2011年5月8日日曜日

自然保護法

ブラジルには古い法律により、土地の20パーセントは自然林を残すことが定められている。その法律は現在まで守られておらず、今になって法律を実行しようとしている。ブラジルの国土から野生動物や植物が消えつつあり、自然保護団体が動き出し、検察が法律を施行しようとしたことから農業者は騒ぎ出した。確かに50年前と現在とではずいぶん農村地は変わっています。その頃は植民地は小分割化され、土地には農家があり、その周りにはいろいろの果物の木が植えてあり、バナナや牧場や使用人の家があった。少なくとも2ヘクタールは作物が栽培されていなかった。現在では周りの牧場や果物の木は取り払われ、使用人の家や自分の生まれた家さえも取り壊され、あるいは隣の土地と併合され、懐かしさに訪ねても、どこなのか判らないところがずいぶんある。もちろん植民地にあった日本語学校やブラジル学校も姿を消している。それは農業の近代化により作業が機械化し、邪魔になるものを取り除いたからです。実に殺風景で、見渡す限り赤土と化した。機械化ゆえ使用人は要らず、町に出ても職はなく、セン・テーラなる団体*が出来たのです。
機械化したため作物は安く生産でき、輸出品として外貨を稼いでいますけど、問題の労働者の解決にはなりません。
マリンガの奥地は60年以後開発されていますけど、あの時点でも自然保護法は実施されず、開発をどんどん推し進めたのです。今になって施行するとは、役人に怒りを感ずるのです。問題の川辺の潅木林も少なくとも30メートルは残さねばならず、政府の補助で排水工事し米の生産地にしたばかりで、 日本の田園を思い浮かべて造

営したのでしたが、米が作れなくなる農家が出てきます。川のほとりで野菜を栽培する農家も出来なくなります。
アマゾンには世界で最大の原始林が残されていて世界の酸素補給に貢献しているのです。現在の気象異変はあらゆる面に出ていて、その原因が気温上昇によるのは確かで、それゆえにアメリカは京都議定にサインしません。


*編者註               セン・テーラなる団体:土地なし農民達の農地改革推進運動団体。

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