2011年5月8日日曜日

仲田幸夫さんからの手紙  -書簡-

真一兄さん お手紙ありがとうございます。お元気で何よりです。便りがないのは元気な証拠だといわれていますが、分厚い封書を手にすると気になるものですが安心致しました。皆さん御家族揃ってお元気で、仕事に励んでいるようすがお手紙で感じられます。小生も時間に追われ忙しい毎日を送っていますが、伯国のような時間的余裕がないのが残念です。此れが現役で仕事をしている一般的な日本人の姿でしょうか。働き蜂といわれる由縁です。
お手紙を拝見しますと、政治 経済 農業 移民問題、そして二つの国のさまざまな社会問題が多岐にわたり、詳細に記されているのには驚きです。これは真一兄さんが伯国 日本の二つの文化を知り尽くしているからこそ、読んでいて説得力を覚えます。
小生が気になるのは、日系コロニアの存在です。小生が在伯していた60年から70年代にかけて戦後移住者が盛んな頃は、どの町でも日本人会があり又子弟に日本語を学ばそうと、日本語学校が存在しておりました。それなりの成果をあげていましたが、子弟教育のため地方から都会へと離農者が増え、日本人集団地が自然と消滅的に、現在の状態を得てきました。都会では集団生活より個人の生活のほうが比重が大きく、言語生活も日語よりポルトガル語を使用する必要性が生じたのは自然のなりゆきかもしれません。結果として日本語を話せる世代が少なくなったのでしょう。
言葉の継承は文化の継承と言われますが、郷に入れば郷に従え、その矛盾する要素が同化とアイデンティティーの確立が移住者社会に課せられた宿命的な そして深遠なテーマのような気がします。
日系コロニアも2008年には移民100年をむかえ、四世、五世の時代に移行しても先人達が築いてこられた多くの功績や苦労を語り継ぎ、日系人としてプラスアルファを持った日系人の存在を今以上に示して欲しいものです。
多くの親戚や友人や知人がいるだけにいつも気にしています。
最近はインターネットで自宅にいながら世界中の出来事がリアルタイムで知ることが出来ます。例えば伯国の邦字新聞のインターネット版やTVが見られますので楽しんで観賞しております。

 仲田幸夫より

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